新型コロナウイルス感染症が世界中に大きな影響を及ぼすようになって1年以上が経過しました。
bf Jazz Schoolでも新しい学びのカタチをお届けしようと、昨年HAKUSAN Laboにオンライン配信のための機材を導入・整備し、今回の井上智ジャズ講座では初めて全4回ともフルHDカメラを使ったハイブリッド型セミナー(オンサイト・オンライン同時開講)となりました。奇しくも、緊急事態宣言下(一部地域)での開講となりましたが、桜の便りが届き始める頃、無事に終えることができました。
今回Step1には、オンサイトは4名、オンラインは6名の方にご受講いただきました。そのうちリピーターの方が2名いらっしゃり、教育者としての井上智先生への信頼の厚さを伺い知ることができました。
講座の後半で学ぶ「アプローチ・ノート」は、いつもStep1の山場となります。コードトーンを上から下から挟むだけですが、単純そうに見えて奥が深いところです。今回もオンサイトで受講されている方が苦しみながら取り組む姿を見ることができました。頭で分かっていても、自分の声で表現できるか、体が自然と反応して楽器を操作できるか、この2点が鍵のようです。こればかりは、地道な鍛錬が必要です。
講座の初回に、井上先生から講座全体の学び方がレクチャーされます。いつも同じなのにその都度考えさせられる「自分なりの理論を構築し続けて欲しい」という言葉が、今回は特に重みを持って響いたように感じます。特にオンラインでは東京のみならず全国各地から受講していただいておりますが、ジャズという音楽が誕生して100年以上経った現在、日本だけでなく世界中でローカルなジャズが存在する時代になりました。その傾向がこれからますます顕著になっていく中、この講座を受けた方が各地のジャズ・コミュニティで旗手として活躍される予感がしております。期待しています!!
四和音に取り組むStep2では、オンサイトは2名、オンラインは5名の方に受講していただきました。
三和音が四和音になるだけで、ジャズ度がグッと高まります。そして、各種マイナー・スケールが加わるとかなり複雑な様相を呈します。Step1に比べると指数関数的に難度が上がるようにも感じますが、同時に受講された方の集中度も一気に高まったのを肌で感じることができました。
Step1を受講し終えた方のためのStep2ですが、大体Step1終了後3ヶ月から半年空いて開講しております。その間に「井上智イズム」が浸透しているのか、Step2になると途端に講座の進行がとてもスムーズで、良い意味で力が抜けている感が出てきます。音楽、学びの果実が少し熟し始めたと言っても良いかもしれません。いよいよ次回Step3で完熟するのか、楽しみにしたいものです。
最終回が終わり、東京では桜が見頃となりました。
今年は次から次へと春の嵐がやって来ますが、桜だけでなく、私たち人間の心もまだしばらくさまざまな困難に見舞われることと思います。
それでも、みなさまにとって音楽が救いとなり、勇気となり、エネルギーとなり、みなさまにとって何らかの助けになるよう、私たちがそんな音楽をお届けできるよう努めて参ります。
文:竹田宗一郎(bf Jazz Schoolスタッフ)