bfの看板講座、毎回楽しい学びをお届けする井上智先生による「ジャズ講座~セオリー&パフォーマンス」。
実は今年、bf Jazz Schoolでの開講10周年を迎えました。が、ご多分に漏れず新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けました。
今秋の開講期間中には第3波と思われる感染が全国に広がり、このたび受講されたみなさまも随所で影響を受けておられると思います。
ところが、人数制限をしての対面受講の方もご自宅からオンライン受講の方も、全4回ほとんどの方がご出席してくださいました。
私たち”人の学び”は何にも脅かされない、音楽の繋がりは恒久、そんなことを改めて心に刻印したい講座だったとしみじみ感じております。
全3ステップある本講座の入り口である”Step1″の対面・オンライン同時開講は、今回が初めてとなりました。
今回は対面の方が5名、オンラインはなんと全国各地と海外から12名の方にお集まりいただきました。
総人数は本講座として過去最多です。
今までの対面受講だけでは、会場の制約上これだけ大勢の方が一度に講座を受けることができませんでしたが、オンラインの良さを実感した瞬間でもありました。
Step1では主に講座全体のコンセプトとトライアド(三和音)を学びます。
全4回のうち2回目あるいは3回目以降はアプローチノートを探求します。
トライアドの3つの音それぞれの隣り合う上下の音からからターゲットへアプローチする手法ですが、大抵受講される多くの方がこの辺りから苦戦し始める様子を、井上先生や私たちスタッフはほんの少しいじわるな笑いとともに見守っております。
今回も対面受講の方々はその通りとなりましたので、きっとオンライン受講のみなさまも画面の向こうでは思わず笑いが出るような苦労をされたのではないでしょうか。
オンライン受講のみなさまとは、無論お互いのディスプレイを通して顔を合わせるだけで、それができるのも講座の始まりと終わりのほんの僅かな時間しかありません。
しかし、その短いひとときがなんとも言えない、ほっこりするような温かい時間でした。
バーチャル背景やアイコン画像のおもしろい方がいらっしゃったり、マイクもONにして元気にあいさつをしてくださったり、井上先生のつい先日リリースされた新しいアルバムを自慢げに手にされていたり、ZOOMの操作が上手くいかず変なタイミングでひょっこり現れたり…
毎回ささやかな幸せをたくさんいただきました。
その一つ一つの幸せのエネルギーがきっと対面受講の方にも伝わっていたことと思います。
一方”Step2″は、ギター1名、ピアノ2名の少人数での開講となりました。
しっかり三密を回避し、心と内容は濃密なレッスンでした。
Step2ではStep1のトライアドから音が1つ増え、四和音を深めます。
三和音から1つ音が増えるだけでグっとジャズ度が上がる感じがしますが、語彙が増えただけで簡単に喋れる(=演奏できる)ようにならないのが、ジャズを演奏することが言葉を喋ることによく例えられる所以でしょうか。
少し複雑なことにチャレンジする程に頭も体もなんだか上手くコントロールが効かなくなる場面を、たくさん拝見いたしました。
世に出回るいわゆる音楽理論の本は、ときに音階や旋法を並べただけのように感じるものもあります。
それはさながら、自分には興味のない不思議な生き物の図鑑を見ているよう(決して不思議な生き物を蔑むわけではございません)。
受講された方とお話する中で、井上先生の講座は系統的で、理論的に腑に落ちるよう導いてくれる、という貴重なご感想をいただきました。
率直に、とてもとても嬉しいお言葉です。
少人数ゆえに一見しんみりした講座のように見えますが、ひとりひとりの深いところで静かな感動が生まれていたことに、得も言われぬ気持ちにさせられました。
Step2そしてStep3はチャレンジングな内容ですが、今回受講された方々には小さな学びをコツコツと積み重ねていただきたいです。
最後に、今回受講された方から寄せられたご感想の一部を掲載させていただきます。
とても分かりやすかったです。ありがとうございました!!
系統的に説明していただき、分かり易かったです。
口と足を使い体に染み込ませる方法が印象的でした。
パズルのピースがうまっていく感じ。
久しぶりに勉強した!という感じです。
次回開催をぜひお楽しみに♪
文:竹田宗一郎(bf Jazz Schoolスタッフ)